清原さん逮捕について考えを巡らせ 思った事

「あの人」が打つと  僕はいつものように帰宅した父へ必死で報告していました。

「あの人」が打つと  亡くなった祖父に颯爽と電話をかけては一緒に喜んでいました。

 

なぜそうしていたかはわからないけれど、きっと「あの人」には当時の幼き田舎の少年を引き付ける  何かがあったのだと思います。

 

 

 

清原和博さんが覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されました。

近年はその疑いをメディアから散々かけられていたにも関わらず、「現行犯逮捕」という形になりました。

今  僕の中にはいろんなものがうごめいています。

 

 

 

小学生の頃のとっても憧れの選手。当時は   松井よりもイチローよりも、僕は清原が好きでした。

別にメディア対応が良いわけでもないし、かといって 凄く打つわけでもない。

実際 当時の清原選手は、ホームランも松井ほど打ってなかったし、打率だって2割5分がいいとこ。

それでもあの人には 応援したくなる「何か」がありました。

あのとんぼの大合唱とともにチャンスでバッターボックスに入る姿には、言葉では決して表現しにくい独特の雰囲気と  僕の気持ちを虜にさせる十分過ぎる何かが確かにあったんです。

 

 

テレビを置かない僕は これまで清原選手のたくさんの動画や映像を「食事のつまみ」に見させてもらってきたけれど、やっぱり決まって検索するのは

【清原 感動】【清原 涙】でした。

それは、きっと 当時の僕を惹きつけていたのが彼のあの大きな身体からにじみ出てくる男くささや情熱、そして 熱さ だったんだと 、今改めて振り返ってみるとそう感じます。

大魔神 佐々木との最後の対決や杉内との最終打席のお辞儀、引退セレモニーの長渕を前にしての涙は今でも感動してしまう。

 

 

でもその一方で、そんな繊細な精神性が 時に僕達ファンからの期待を上手にコントロール出来なかったのでは と 、一ファンとして今 ふと考えてしまいます。

そして、案の定その期待は  今回のこうした加熱する報道が出る度に出てくる

「なぜ、どうして?」

「ショックだ」

「裏切られた。」

「許せない、俺の期待を返して」

という声に転化され、それを目の当たりにすると 僕はどうにもいたたまれない気持ちになってしまいます。

 

 

 

法を犯すのはやはりルール違反かもしれません。法が僕達がより良く生きていくための一端を担っている以上 こうした事は裁かれなくてはいけないのかもしれません。

僕はまだまだそこが疎く、全く分かっていないけれど…でも、今の所はそんな捉え方をしています。

 

ただ、果たして今回の事は僕らに直接どんな危害を与えたのでしょうか。

僕達に一体 どんなデメリットがあるのでしょうか。

 

 

有名人や著名人を前に僕達は「勝手に」応援したり、理想化 時に神聖化しているけれど、でも彼らは別に僕達にそうするよう頼んでいないはずです。

「彼らはそれで飯を食っているんだ、当然だ。」

という意見もありますが、それは余りにも暴論じみたものだと僕は思ってしまいます。

 

期待はもちろん大切だと思います。

でもそれは あくまでその人の商品でもある行動やスキルにのみ向けるべきであり、それをそのままその人の全人格にまで適用したり理想化するのは少し行き過ぎたものなのではないでしょうか。

期待は、僕達が単に勝手にかけて「しまった」もので、 そうした事実は僕達は理解しておくべきなのかもしれません。

 

 

こうした行動は…

つまり 誰しもがきっと多かれ少なかれそういう思いや衝動、感情、暴力性の種を持っていて、色んなもののバランスが崩れると ある時それらが一気に肥大化し ひいてはに 思いもよらぬ方向に傾いていくのではないか、と僕自身は考えています。

 

人間としての理性と生物としての本能との葛藤を  僕達はしばしば色々な場面で垣間見ますが、それが大きいのか小さいのか  ただそれだけな気がするのです。

そして、僕達はみんな不完全でいろんな形で本能を制御して生きていてある時 そうした心のバランスは 自分の力ではどうしようもない外的 もしくは 内的な要因によって突如 崩れ、ある時 牙を剥く事があるのかもしれません。

 

もちろん、清原選手にとってその直接的な要因が何だったかは誰もわからないのだけれど。。。

 

 

人の心と深く関わらせて頂く仕事に就いて間もない僕の…浅はかではあるけれど  、

でもなんとなくそうした事を感じてしまう  深夜の重いニュースでした。

 

 

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