トロントの文化と教育と『ペイフォワード』

『社会を変える為に何をしますか?』

 

 

 

映画『ペイフォワード  可能の国』で中学1年生(アメリカでは7年生)になったばかりの主人公トレバーは、社会科の最初の授業で担任のシモネット先生と出会います。

 

先生は

「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」

という課題を生徒たちに与えます。生徒達のほとんどがいかにも子供らしいアイディアしか提案できない一方、トレバーはそこである概念を提案するのです。

 

ペイ・フォワード

 

 

つまり、それは自分が受けた善意や思いやりをその相手に返すのではなく、別の3人に渡すというもので、それがどんどんネットワーク的に広がっていく事で世界を善意で満たしていく、と主人公のトレバーは考えたのでした。

 

話の結末がどうなったのか?

ここでは一度端折りますが、そんな善意のループを僕自身がかつて経験した事があったので

今日はそのお話です。

 

 

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7年前にカナダのトロントに留学していた時、現地の「ある」習慣にひどく感動したことがありました。

 

それは、トロントに住む皆が 公共の施設の入り口等で『ドア』があれば、老若男女問わず  、次に歩いて来る人の為に扉を開けて待っていてくれる、というもの。

 

とにかくそれはひどく徹底されていて、何メートルも離れていても、後ろの人がこっちに向かって歩いてくることがわかれば何秒でもその場に待って笑顔で扉を開けて待っていてくれるのです。

 

 

 

初めてその体験をした時、それはその人自身の性格によるものだと思い、

「なんてあの人は優しい人なんだ。」

と ひどく感動したものだったけれど、

実はそれが僕だけに対する行為ではなく、トロントという街 全体に一つの文化として根付いていることを知った時、初めて自分の生きてきた世界がほんの一部分に過ぎないのかを知ったものでした。

 

 

それからというもの、現地で自分自身もその文化に自分を溶け込ませながらそうした心遣いをして いると、なんとも言えない清々しさに気づくようになり、

そして何よりその気分が僕の1日を暖かく包み込んでくれているような気がしてどうにも優しい気持ちで満たされていくのを感じ、

また一方で そんな人の暖かさや価値のバトンが将来へと繋がれていく一旦を担えている事に純粋に幸せを感じたものでした。

 

 

そして、こうも思ったものです。

 

『帰国して、多かれ少なかれそうした正のループが広がって行ける環境に身を置く事が出来たら幸せだなぁ。』

 

と…

 

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半年くらい前だったでしょうか?

一昨年前に教えていたある生徒の子からこんな事を言われました。

 

『先生にその内 子供が産まれて小学生くらいになったら、僕が勉強を教えますよ!!』

 

 

20歳を前にちゃらちゃらした風貌で言われて、

『いや〜…おまえには 死んでも頼まんわ。』

 

と、やりとりしたのですが

彼の性格を知り そしてこれまでの彼の影の努力を間近で見てきたからこそ、そんな時が来たら最高に嬉しいなって、缶ビール片手に夜風に当たりながら考えていたら 泣きそうな気持ちになったもので、

一方で、そうした想いが 『ペイフォワード』として 下の世代に 伝わっていく可能性が純粋にただただ嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

ところで、映画『ペイフォワード』では、最後にはとても悲しい結末を迎える事になるのだけれど、主人公のトレバーの『善意のバトン渡し』はその後も続いていきます。

 

映画はそこであえなく終わってしまうのだけれど、それらがどんどんと伝わっていく過程が、どうにも僕が7年前に遠い異国の地で体験した 善意のバトン渡しと被って見え、

そして今これから教育という分野で僕自身もその一旦を担えるのかもしれないと思う事が いささか僕の背筋を伸ばしてくれていたりします。

 

 

もちろんそれは、

M’s LABOであり、

トラストコーチングであり。

 

 

 

これからも、自分自身との信頼を大切に。

そして、今 自分を信頼してくれている人とより信頼を強固に、大切に。

 

 

それは 常に何度でも言い聞かせたい事。

そして忘れたくない事なのです。

 

 

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