【魅力の出し方】

大学生の頃

僕はひたすら本屋さんに通ったもので、

その中でもある時期に

「自己啓発」や「成功哲学」

にとてもはまっていました。

そしていつしかそれはどこか僕の癒しになっていて、

社会や周りに嫌気がさした時

魅力的になりたいという思いが強くなった時に

沢山読み漁っていた気がします。

そこには居心地がいい言葉が沢山羅列されていて、

僕はどんどんのめり込んでいきました。

それはどこかミラー迷路のようだった。

ただ、

ある時僕は気付いたんです。

時々 妙に落ち込むようになったな、と。

それはどこか煙草の依存性に少しだけ似ていて、(ちなみに吸っていませんが。)

気分がプラスになるというよりも、

吸わなければ落ち着かない、という感じでした。

そして案の定、

僕の行動は全く変わっていなかった。

行動した「気」になっていただけだった。

 

 

自己啓発本の難点は

読んだだけで満足してしまいやすいことです。

確かにこれらは

僕達の心のあり方を大きく変えてくれます。

目からウロコな考え方や物事の捉え方が至る所に散りばめられていて、

もちろん、

生きる事がとてもたやすくなる。

僕だってたくさん参考にさせてもらった。

ただ、

当然ながら人は行動を通してしか「変われない」ので、

「変化」のない自分を変えるべく、

また違う本に手を出しては満足し、

僕達はその習慣を繰り返してしまいます。

当時

僕が欲していた「魅力」に関してもまた同じことがいえるかもしれません。

街にはさまざまな広告が至る所に溢れ、

「魅力的になること」

を常に社会から求められる「不完全」な僕達は、

魅力的になる為に

色んな「モノ」に手を出していきます。

それでもそれらの「モノ」が与えてくれる効果は束の間で、

これまた僕達は

生産と消費を繰り返す経済の歯車に組み込まれ続けていきます。

「自己啓発」と「魅力」の巨大市場は

そうやって際限無く作られていき、

今日もまた僕達は

貴重な資産をそうやって失っていくのです。

 

 

魅力的になるにはどうしたらいいのでしょう?

もちろん「科学」はまだそれに対するベストな答は

用意していないかもしれません。

「魅力」とは相対的なもので、

常に人との比較でなされるものだからです。

ただ、

コーチングという実践的な『学問』が

それに答えるヒントを与えてくれています。

それはつまりこうです。

僕達は魅力を追い求める際に「モノ」を介そうとします。

それは、

住居や車、洋服やアクセサリー、バッグ等

様々な「部品」で装飾していきます。

でも、

人とのコミュニケーションに徹底してこだわるコーチングという学問では、

その対象を具体的に「人」へと移していきます。

つまり

「モノ」を使って自分を魅せていくのではなく

代わりにその時間を使って、

「人」を魅せる作業に没頭していくのです。

そして

それは言うまでもなく「他人」です。

人の魅力を 引き出す作業に自分の時間を投資していくという事。

それは、

単純に励ますだけでも

具体的でより高度な知識を供給するのでもいい。

手っ取り早く「変わる」ために、

これからチャレンジしていく人を

自分の人的資本 全てを使ってサポートしていく事を

自分を魅せる近道だと考えるわけです。

なぜなら、

何かに向かって必死にチャレンジをしている人の表情ほど

「魅力的」なものはなく、

彼らをサポートするということは

自分の「魅力」を使ってして初めて同じ土俵に立てる事だから。

それは、

赤ちゃんが必死につかまり立ちしながらチャレンジし続ける顔、

運動会で頑張る子ども達、

部活や公演で最高の自己表現をする高校生達

そして、

その過程を見守りサポートする大人達の真剣で優しいまなざしを見ればわかります。

みんなとっても魅力的。

そんな顔を日々している事こそが

どんな自己啓発書よりも効果的な魅力の出し方だと

僕は思うのです。

“魅力的になる一番確かな方法は、人の魅力を引き出す事。
自分を変えようとせず、人の魅力を引き出していく事。”
                    馬場 啓介

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