なぜ今さら受験勉強なのか?

カナダの生理学者ハンス・セリエは

世に初めて「ストレス」という考えを

提唱しました。

当初セリエはこのストレスを

人にとってはよくないものだと主張していましたが、

その後

むしろ適度なストレスは

人のモチベーションにはよい影響を与える

事を理解し、

後に

『ストレスは人生のスパイスだ』

というクールな言葉を遺しました。

さて現在では、

人が成長していくには

ある程度の『ストレス』が必要なのは

当たり前の事として認識されている

わけですが、

ここから先に、

人の学びを加速させる

大きなヒントがあるようです。

 

 

 

 

「人が成長できる環境」

というカテゴリーで考えると、

人の置かれている環境には

以下の3つの段階があると言われています。

それはつまり

 

 

コンフォートゾーン

ラーニングゾーン

パニックゾーン

 

 

の3つです。

これは元GEのノエル・ティシー氏が

整理したコンセプトなのですが、

順を追って説明していきたいと思います。

 

 

普段、僕達がいるのはほとんどが

この中の

コンフォートゾーンという段階です。

文字通りそれは

生活していて居心地のいい『場所』で、

特に汗をかかず

自分の経験や知識で以って解決出来る範囲内

の『時間』の事を指します。

このコンフォートゾーンの中では、

心身ともに安定した生活を送る事ができます。

ただしいつもと変わらない

特に大きな刺激もない

ありきたりな毎日です。

ラーニングゾーンに関しては、

いわば未知の領域を指します。

少し緊張したり冷汗をかいたりといった

自分の知らない事への日々の

チャレンジだったり、

自分の基準を上げてくれる方との時間や

書物などから学びだったりします。

この段階では、

自分の行動を変える色々な気付きがあります。

パニックゾーンとは、

ラーニングゾーンを遥かに超えた所です。

このゾーンでは、

変な冷や汗が出たり過呼吸になったり

鬱になったりと、

身体的にも精神的にも支障が出てきます。

言われている事が全く頭に入ってこなく

簡単なミスを連発したりします。

ここでは、

何をやってもうまくいかない事が多く、

自信が大きく揺らいできます。

さて、ここで大切なのは1点。

それはつまり、

『成長を加速させる』という観点では、

いかに自分の人生において

『ラーニングゾーン』の時間を増やせるか、

という事です。

 

 

 

 

僕達は常に、

【学び続ける】

【成長し続ける】

事を余儀なくされています。

それはつまり

日々

他人に対して価値を提供し続ける事(仕事)を

意味しており、

なぜなら僕達は

一人では生きるのに必要な全てを

自力で揃える事が出来ず、

他者との関わり合いや交換で以ってしか

それらのものを得る事ができないからです。

そして、

それらを得る為に

僕達自身はそれ相応のものを提供し続ける

必要があります。

そんな時に

最も効率的に自身の成長を加速し

自分の価値を最大化させるのに効果的なのが

このラーニングゾーンでの時間なのです。

そして、

僕達はその『基盤』を18歳までに

作り上げてきました。

 

 

 

 

受験勉強が大切だと僕が感じるのは、

こうしたラーニングゾーンの経験を

手っ取り早く、

しかもほとんどノーリスクで長期的に

行える点にあります。

そこには確かに

歓喜や達成感と共に

不安や絶望、挫折といったストレスが

存在するわけですが、

それらのレベルはある程度コントロール

する事が出来る

謂わば『学ぶ』には最良の場所でも

あったりするのです。

義務教育の目的は人それぞれで、

色んな価値観のもとで

色んな教育を施していけばいいと

考えていますが、

僕自身は、

このラーニングゾーンでの経験を

無意識的に習慣づけられる事は

大いに価値のある事だと思っています。

なぜなら、

それらは毎日がいわば

【解決と創造】

の繰り返しであり、

大学を卒業すると

生活自体がその繰り返しになっていくからです。

それはつまり

「答えのないどこか」に向かって

一人一人が

自分の感情をひとつひとつ整理しながら

バランスを取って

生活していかなくていけない

という事でもあったりします。

 

 

受験勉強という「スパイス」を味わった人は

至る所でその経験を活かすことが出来ます。

更にその経験は、

あらゆる場面でのストレスに対応できる

忍耐力を与えてくれ、

それは生涯を通して僕達を助けてくれます。

 

ただ・・・

このラーニングゾーンと

パニックゾーンとの見極めが

とても難しいのも事実です。

それについては後日書こうと思います。

 

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