ある所に綱渡の名人がいました。
彼はどんな場所でも綱渡を成功させてしまう綱渡りの名人中の名人です。
ある時、彼はある大きなチャレンジをすることになりました。
ある大きな滝での綱渡りです。
そしてそのチャレンジを沢山の彼のファンが見守る事になりました。
いよいよ本番当日。彼はみんなに聞きます。
「私はこれからこの綱渡りをします。このチャレンジがうまくいくと思う人は拍手してください。」
辺りは盛大な拍手で盛り上がります。
結果は 成功。
そしてまた彼は聞きます。
「私はこれから手押しぐるまを押して綱渡りします。このチャレンジがうまくいくと思う人は拍手してください。」
辺りは更に盛大な拍手で盛り上がります。
そして結果は…
またもや成功。
帰ってきたその名人は更にまた聞きます。
「私はこれから人を背負って綱渡りします。このチャレンジがうまくいくと思う人は拍手してください。」
あたりはその日一番の盛大な拍手で盛り上がります。
と。
ここでその名人はもう一度口を開きます。
「誰かその背負われる役になってくれる人はいますか?」
…
…
拍手はパタリと、止みました。
その時。
その名人の親友が手を挙げ、
名人は彼を背負って綱渡りし無事に成功しました。
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街では今日も沢山の人が「信頼」という言葉を使っています。
信頼ってなんだか よくわからなくなりますね。
【参考書籍】
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